保険診療と保険外診療について(2)
- 院長コラム
保険診療と保険外診療(自費診療)の制度的な違いについては前回の記事で説明しました。
簡単に言えば、「治療には様々な選択肢がある中、生活するうえで必要最低限の治療は皆保険制度の適応となり、適応となる治療については患者さんの窓口負担が0~3割となる」ということでした。
では実際に治療はどの程度の費用負担となるのでしょうか。
前回の記事でも紹介した通り、患者さんの病態に応じて個別に必要な検査や治療は異なります。例えば、虫歯を除去して樹脂素材を充填する治療では、1回で終わる場合と、様子をみるために2回にわけて治療する場合とで算定(請求)項目が異なります。その歯に施された治療結果が同じでも算定する項目に制限がついたり項目の名称自体が異なったりするわけです。簡単に言えば両者は違う医療行為ということです。それほど細かく細分化、ルール化されているので毎回費用が異なるわけです。
次に虫歯を簡単に詰めた場合と冠を被せた場合の費用を保険と保険外にわけてご紹介します。
例1)小さなむし歯に対して直接樹脂を詰める場合
●保険診療(数字は点数で1点10円となります)
再診料53 明細書発行体制加算1 う蝕歯即時充填形成128 光CR充填158 充填材料料(複雑窩洞)29
合計 369点・・・この日の医療費=3690円 このうち3割負担の方は窓口の支払いが1110円(369×3:10円単位切り上げ)となります。
●保険外治療
一般的に「ダイレクトボンディング」などと呼ばれます。保険適用外の材料などを使い、より美しく、より確実で長期予後を期待できるテクニックを用いるなどして充填治療を行います。平均的には3万円前後の医院が多いようです。当院では、樹脂材料は素材としての物性の限界があると考えておりますので、直接の充填治療は保険治療のみにて対応しています。できる限り美しく確実に充填しています。
例2)大きなむし歯に対して冠を被せる場合
●保険治療
1日目
再診53 明細書発行体制加算1 生活歯歯冠形成料796 象牙質レジンコーティング46 連合印象(寒天・アルジネート)64 咬合高径採得18 仮歯の仮着34
2日目
再診53 明細書発行体制加算1 レジン前装金属冠1828 装着量45 セメント(接着剤)17 補綴物維持管理料100
合計1012+2044 2日間の医療費の合計は30560円 このうち3割負担の方は窓口の支払いが9170円
●保険外治療(当院での税別価格)
・ガラスセラミッククラウン・ハイブリッドクラウン 透明感のあるクラウン強度はやや低い 50000円(税5,000円)
・e-max 透明感と強度を兼ね備えた高強度セラミッククラウン 65,000円(税6500)
・ジルコニアクラウン 非常に硬い白い冠。最近は審美性も向上 75,000円(税7,500)
・ゴールドクラウン 昔から歯に馴染みが良いとされる金冠。粘り強く適度に柔らかく相手の歯を傷めないため、歯にやさしい修復 80,000(税8,000)
※当院では保険外クラウンブリッジ治療では、症例に応じてCERECシステムを用い3D光学印象を行っております。
※ガラスセラミッククラウンやハイブリッドクラウンは基本的に即日修復が可能です。
※ゴールドは材料費の価格変動が著しいため使用した金属の量と金相場の影響受け目安として5,000円程度の変動が起こりえることをご了承ください。
その他にも治療方法はありますが上記3つの治療のみ治療費の参考として掲載いたしますので他の治療やわからないこと不明な点はお気軽にお問い合わせください。